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diary

「君待つと」のこと

こんにちは!
Good成岩校の田中です!
中間テストも終わり、息つく間もなく期末の対策をする時期です。
多くの学校ではこの間に学校祭や体育祭が行われ、
その準備で十分にテスト対策が出来ないという悲鳴が毎年聞かれます。
中3受験生にとっては中学生最後の定期テスト。
しかしながら、多くの学校で期末テスト後に入試必須単元を習います。
テストがないからと言って気は抜けませんね!

今日は入試にはあまり出ませんが、今中学三年生の国語で習っている古文の和歌のお話をしようと思います。
「君待つと」のタイトルにもなっている額田王の

君待つと わが恋をれば わが屋戸の 簾動かし 秋の風吹く(万葉集 巻4-488)

はあまりにも有名ですね。
これは漢詩の「清風帷廉を動かし」(玉台新詠)という漢詩をもとに
額田王が近江(天智)天皇に会えない気持ちを重ねて「サンプリング」したものと言われています。
額田王についても、紆余曲折の人生を送った女性としても知られています。
歌を詠むのがものすごくうまい才女であり、しかも、その知識量は半端なくて、海外文学にも精通している。
さらに、呪術者(巫女)であったということも言われていたり…
そんな彼女は、もともと大海人皇子(のちの天武天皇)の奥さんで子供(十市皇女)もいたんだけど、
のちに天智天皇が「頭いいし、かわいいし、いいなぁ」っていうもんだから天智天皇に召し抱えられるだなんて。
それだけでなく壬申の乱で次の天皇に決まってた十市皇女の夫、大友皇子が元旦那の大海人こと天武に討たれるやいなや
娘の十市皇女も自害してしまうし…
そんな波乱万丈の人生を知ると余計にこれらの歌も深みを増してきますよね。
じつはこの歌には対になっている、姉(といわれている)の鏡王女が答えている歌があり

風をだに 恋ふるは羨し 風をだに 来むとし待たば 何か嘆かむ

(風ごときでドキドキできるなんて恋してる感じが羨ましいわ、あたしなんか風ごとき何にも思わないもの)

と皮肉たっぷりに返されてます。。。
こう見ると、額田王の歌が意識高い系あざとい系女子に見えてくるからナイスアンサーですね。
それにしても、昔の人は日本語の一語一語に思いを詰め込めるだけ詰め込んで、
言霊の時代(言葉を操る額田王が巫女的立ち位置であったことも首肯できる)だからこそということもあるが、
言葉に対する敬意をひしひしと感じます。
国語を学ぶって、つまりこういうことなんですよね!

ちなみに私は、
あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖ふる (額田王)
からの
紫草の にほえる妹を 憎くあらば 人妻ゆえに われ恋めやも (大海人皇子)
がなんとも大胆で艶やかでウィットに富んでいる感じがして好きです!
私なりの解釈や興味がある方はGood成岩校の田中まで!

田中俊晃先生

この記事を書いた人

田中俊晃先生

成岩小、成岩中を卒業し、地元半田から次世代を育成することで故郷に恩返しをしたいと考え指導にあたる。気さくで話しかけやすい雰囲気・教室づくりで、生徒・保護者からの相談や質問が絶えない。成績アップの向こう側にある人間力の育成をモットーに生徒に寄り添う。デザイナー兼イラストレーターの経験を持ち、Good・EISUの広報を担当。好きなアーティストはミュシャやクリムトなど。
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